現在、物流・運送業界において、燃料価格の高騰とはまた別の「深刻な事態」が進行しています。それが「ナフサ(粗製ガソリン)の供給不足」です。
2026年2月末に発生した中東情勢の緊迫化とホルムズ海峡の実質的な封鎖を受け、プラスチックや化学製品の原料となるナフサの供給網が寸断されています。この「ナフサショック」が、なぜ物流現場に直撃しているのか、主な影響をまとめました。
ナフサはプラスチック製品の主要原料です。現場で欠かせないストレッチフィルムやプラスチックパレット、緩衝材などの価格が急騰しています。また、副次的な影響として、段ボール製造に必要な苛性ソーダの供給も滞り始めており、「荷物を包む・固定するものがなくて出荷できない」という事態が現実味を帯びています。
トラックの塗装や修理に不可欠なシンナーは、成分のほぼ100%がナフサ由来の溶剤です。2026年に入り、シンナー価格は昨年の数倍に跳ね上がっており、新車の架装納期遅延や修理コストの増大を引き起こしています。
原油備蓄(約250日分)に比べ、ナフサの国内民間備蓄はわずか20日分程度と非常に脆弱です。現在は代替輸入などで例年の8割程度は確保されているものの、在庫は徐々に減少傾向にあります。
資材の早めの中長期確保: ストレッチフィルム等の消耗品は、早めの在庫確保を検討してください。
荷主との協議: コスト増を単なる自社努力で吸収せず、サプライチェーン全体の課題として価格転嫁や運用の見直しを相談する時期に来ています。
物流は「物理的に包むもの」があって初めて成り立ちます。燃料価格だけでなく、この「資材の目詰まり」にも最大限の警戒が必要です。